「Web面接」を受ける前に知っておきたい4つのこと【Web面接対策ポイント】
目次
Web面接を受ける前に就活生が対策すべきことを、元アナウンサーで「ネット就活塾」の講師である吉野先生が解説します。
「Web面接」と「対面での面接」の違いとは
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、就職活動の主戦場は「対面」から「Web」に移行しました。突如、就活の面接がビデオ電話を利用した「Web面接」に切り替わり、学生も企業側も戸惑うところもあるかもしれません。
そもそも、「Web面接」と「対面での面接」とでは どのような違いがあるのでしょうか?特筆すべき最も大きな違いは 「カメラを通して」自分を表現することです。
カメラといっても、1センチにも満たない、
パソコンやスマートフォンの小さなカメラです。無機質なカメラの先に面接官がいるという事実。
この事を知らない、気付けていない就活生が殆どです。
カメラはただ、あなたを映すだけ。意識して伝えようとしないと、あなたの魅力は伝わりません。
視点を変えると、 殆どの就活生がカメラを意識せずに漫然と面接を受けているという事です。対策を練って訓練を受けた学生は第一印象から優位に「Web面接」を進められるでしょう。
アナウンサー としてカメラに向かって伝え続けてきた経験を、そして、インターネットを使った生放送(ライブストリーミング)を 日本全国各地から数多く配信してきた知識を踏まえ、就活で「Web面接」を受ける前に知っておくとよい対策ポイントをお伝えします。
Web面接に不安がある就活生は、「ネット就活塾」のWeb面接個別練習やWeb面接動画映え個別指導の受講をお勧めします。
「Web」でも第一印象は存在する
実は私の仕事もコロナ対応でオンライン化が進みました。毎日、オンラインのビデオ電話で仕事をしています。最近では「初対面」が「Web」の方も飛躍的に増えています。
その生活で感じたことは、間違いなく「Web」でも「第一印象」があるということです。
パッと画面(モニター)にあなたが映った瞬間の「きらめき」に面接官は注目しています。 対面の際は、ドアから入ってきたその瞬間です。 対面の面接時にはどの就活生も細心の注意を払って、面接に臨んでいるはずです。呼吸を整え、気合を入れて面接会場のドアをノックしていることでしょう。
ところが「Web」になると、無防備な人の多いこと。 心身共に準備が整った状態でカメラの前で構えている人が圧倒的に少ないのです。
面接で何を話すのか、あなたの強みやエピソードについては対面の面接と同じですので、ここでは割愛しますが、「Web面接」で第一印象が良くなる対策ポイントを順に解説します。
「Web面接」の第一印象を整える方法
カメラは必ず安定させる
あなたはどんな機器で「Web面接」に参加していますか? スマートフォンですか、ノートパソコンですか?
あなたが画面に映った瞬間に、ゴソゴソとスマートフォンの撮影位置を模索していたり、何か挟むものを探したりしていませんか? これは論外です。明らかな準備不足です。第一印象が台無しですよ。
スマートフォンの場合は必ず三脚など機器を固定するものを用意しましょう。安価なものは100円均一でも販売しています。
カメラと向き合う位置(アングル)を整える
一方、ノートパソコンは置くだけで固定されているので、画面は 比較的安定しますが、カメラと向き合う位置(アングル)にも注意が必要です。
形状上、ノートパソコンは下から煽られる様に映ります。あなたの目の位置とカメラの位置がどの様な関係性になっているのかに着目してください。
カメラの位置の方が低くありませんか? これだと、無意識にではありますが、面接官を見下してしまうのです。高圧的に見えたり、プライドが高い印象を与える可能性があります。あなたの意図するところではないでしょうし、面接官の立場に立って考えてみてもあまり気持ちの良いものではありません。
そこで提案です。あなたの目の位置とカメラが同じくらいの高さになる様にダンボールや台の上に置くなどして調整しましょう。スマートフォンの方もダンボールの上に三脚を置くなどして目線の延長上にカメラが来る様に調整します。 Webカメラを使う場合も同様の理論です。これだけであなたの「Web面接」での第一印象は飛躍的に良くなりますよ。
発言する時にどこを見て話していますか?
スマートフォンやパソコンのモニターに映る自分を見ながら面接をしていませんか?そうなると奇妙な現象が起こります。うつむいた状態で自身をPRすることになるのです。面接は売り込みの場ですよね。
就活面接は企業とのお見合いとも言えます。対面であったら、その様な場面で、面接官の目を見ないで話す人は少数派でしょう。しかし、「Web面接」になった途端、うつむき、伏し目がちに自分を売り込む人が続出します。目を見ないという消極的な見た目(視覚情報)と自身をPRする積極的な内容(言語情報)、相反する情報に面接官は「志望度が低いのかな」と混乱します。
その様な就活生が多い中、カメラをしっかり見て、面接官と目が合った状態で面接を受けるだけでも好意的に受け止められるはずです。モニターに映る自分ではなく、しっかり「カメラ」を見てPRしましょう。
「カメラ映り」をトレーニングする方法
カメラを見て話せる様になるには少しトレーニングが必要になります。私の様にWeb模擬面接のレッスンをしている「伝えるプロ」から学ぶのも良いですし、スマートフォンのビデオ機能を使って練習することもできます。実際に自己PRや面接時によく聞かれる質問に答える姿を録画してみてください。
そこで自身を客観的に見る視点を養いましょう。
- あなたが伝えたいと思っていた強みは伝わっていますか?
- 話している内容(言語情報)と見た目(視覚情報)、話し方や声のトーン(聴覚情報)に統一感はありますか?
- 目が泳いだり、身体が揺れすぎたり、顎が上がっていたり、クセはありませんか?
ここで言うまでもありませんが、カンペ(カンニングペーパー)はオススメしません。カンペを自然に見ることにも技術が必要です。付け焼き刃で出来るものではなく、面接官はすぐにわかります。
録画してみた方は分かると思いますが、話し方が単調ではありませんか?かなり気持ちを込めて大げさに話さないとあなたの魅力は伝わりません。是非、客観的に見て、修正する対策トレーニングしてみてください。
「Web面接」とアナウンサー試験の共通点
実は、テレビに出演しているアナウンサーは学生の時からこの訓練を積んできています。方法はそれぞれだと思いますが、ビデオカメラなどを使い、専門家から指導を受けてきています。
アナウンサー試験は「Web面接」と似ているところがあります。アナウンサー という職業が対面での印象よりも「カメラを通して」伝わる印象をより重要視しているからです。その為、試験には「カメラテスト」が必ずあります。
今となってはSNSの普及により、一億総タレント化している世の中です。一人一人が個人メディアを持ち、「発信力」があることが人生の選択肢を豊かにする時代とも言えるでしょう。これを機に皆さんも「カメラを通して伝える技術」を身に付けてはいかがでしょうか。
「Web面接」の勝敗を分けるのはインターネット環境!?
「もしもお金で面接を優位に進められる方法があったら、、、」飛びついてしまうかも知れませんよね。その様な都合の良い話しは実際にはありませんが、「Web模擬面接」のレッスンをしていて非常にもったいないと思うことがあります。
それは、インターネット回線が不安定な就活生です。
「Web面接」はインターネット回線を使いインタラクティブ(双方向)に情報をやり取りする面接です。互いに自分の映像と音声をアップロードし、相手の映像と音声をダウンロードしています。使用しているカメラの解像度にも依存しますが、比較的大きなデータをやり取りしています。
当たり前ですが、インターネット回線が安定していることが望ましいということです。いくら受け答えがしっかりしていて好印象の就活生でも回線状況の悪化でプツプツ途切れていると、満点は付けづらいでしょう。なぜなら、面接での全ての応対が見られたわけではないからです。
インターネット回線の速度を測定してみよう
今、このページをご覧になっている端末でどの程度の速度が出ているかご存知ですか?どちらのサイトでも構いませんので、できれば複数のサイトでテストしてみて下さい。
私がよく使用しているスピードテストサイトはこちら
ZoomやSkypeなどのビデオ電話の機能をスムーズに使用する為に必要な通信速度(帯域幅)はカメラの解像度にもよりますが、上り(アップロード)下り(ダウンロード)共に1.5Mbp (メガビット/秒)が安定的に必要です。(2020年5月現在)1つの目安として測定してみることをお勧めします。
スマートフォンよりもパソコンを勧める理由
「Web面接」に使用する端末はスマートフォンよりもパソコンをお勧めします。しかも単なるパソコンではありません。LANケーブルを繋いでインターネットを使用できるパソコンです。
スマートフォンはご存知の通り、Wi-fiを使っています。ワイヤレスのインターネット回線を使用していますよね。無線よりも有線の方が安定性という意味では信頼できるのではないでしょうか。
実際に、スマートフォンなどのWi-fiを使う端末と有線のパソコンとで同じ時間帯にテストをしてみてください。
- スピードテストで速度を測定し
- 友人と実際にテレビ電話をしてみてください
選択の余地があるならば、スムーズに会話ができる方を選んでみるのはいかがでしょうか?Wi-fiを使用する場合は、同じ部屋の中でも場所によって速度や安定性に差が出ますので、その点も注意深く検証することをお勧めします。
面接日が決まったら、必ず同時間帯にテストをしよう
面接の日時が決まったら、面接時間帯に同じ条件(指定されたシステムを使用して)でテストをすると良いでしょう。再び、友人などに協力してもらい実際の会話がスムーズに行えるか確認します。平日に面接予定なら平日の同じ時間帯の回線状況をチェックしておくと安心です。
不測の事態に備えてバックアップの連絡手段を用意しよう
私自身もインターネットを利用したビデオ電話で仕事をする際はLANケーブルをつないだパソコンで行なっています。その方が安定することを体感しているからです。
しかし、インターネットにも「絶対」ということはありません。去年の今頃、皆さんの就職活動が、大学生活がこの様な事態になるとは誰も予想できなかったと思います。
万が一、インターネット回線が何らかの理由で切れてしまった時に、企業との連絡が取れる様に電話番号などを控えて対策を準備しておきましょう。そうすれば慌てることはありません。電話をして指示を仰げば良いのです。
全ての事象に「絶対」はありません。準備ができるところはし尽くして万全を期すことが皆さんの人生の糧にもなると思っています。緊急事態宣言下で行われる皆さんの就職活動が良いものになるように祈っています。
元アナウンサー・ネット就活塾講師 吉野智子