妊活休業はシナジー効果も生む?!
- 2014年01月28日
- ワークライフバランス
人気女性お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さん(34)の「妊活休業」が話題になっています。是非はともかくとして、所属タレントのたっての希望を了承した吉本興業の姿勢は、ワーク・ライフバランスに資するものとして、評価されていいのではないかと考えます。
一般的に、非常に労働環境が厳しいと言われる芸能界で、仕事とライフ(生活)両方の充実を得るのはなかなか大変なこと。時に、公人としてプライベートまで制限されてしまうタレントさんであればなおさら、です。
まして(と言ってはナン、ですが(;・∀・))吉本興業と言えば、売れない芸人さんの薄給ぶりでもこれまで、度々話題に上がるほどです。下積み時代を経て、芸能人として活躍できるのはほんのひと握りです。さらに人気稼業ですから、いつまで“社員”が“収益”を上げてくれるか分からないわけです。となれば経営側としては、稼ぎ出してくれる優秀な人財に、稼げる時にしっかり売上を上げてもらいたい。そう考えるのは、ガッチリ企業の吉本興業でなくとも、当然のことと言って良いでしょう。
このような状況下、ライフの充実を図ろうと考えたタレントご本人の意義ある行動はもちろん、社員の思いに応えた企業は、就職先としても高い評価を得る“ホワイト企業”と認知されて良いのではないでしょうか。
会社の外で得た経験や知識が、仕事の質を向上させるというのが、ワーク・ライフバランスの向上によって得ることができると考えられるシナジー(相乗)効果です。
IT企業のサイボウズでは、この考え方を前提に、35歳以下のエンジニアやスタッフを対象とした「育自分休暇」制度を創設、運用しています。退職しても6年間は会社に戻れる「再入社パスポート」を交付する、というもの。この制度で、一時28%あった離職率が4%にまで減ったそうです。
サイボウズの事例はともかくとして、今回の吉本興業の判断に、ワーク・ライフバランス的視点が加わったのかは、知る由もありません。しかしどちらも、しばらく休みを取ってでも「社外での経験を会社に持ち帰り、より輝く仕事と人生の充実を手に入れて欲しい」と“社員”に期待する企業であることだけは、共通して言えそうです。
企業と働く側の双方が、互いの期待に応えられるような関係を結べる会社。就職活動中にしっかり出逢っておきたいものです。
参考記事
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/216
http://www.sanspo.com/geino/news/20140127/owa14012705050002-n1.html
”シュントウ”と”シュウカツ”とワーク・ライフバランス
- 2014年01月19日
- ワークライフバランス
ハッピーマンデーの成人の日が過ぎ、お正月以来何となく続いていた華やぐ街の雰囲気もどこへやら。
日本の大企業経営者らで組織する経団連は1月15日、今春闘の指針となる「経営労働政策委員会報告」を発表し、労使双方が労働環境について議論する2014年春闘が事実上、スタートしました。
4月の消費税引き上げを控え、経営側からは2008年以来、6年ぶりとなる賃上げ容認が示され、労働側にとっては明るい兆しも感じられる皮きりとなりました。
ところで。春闘って、何でしょう? あっちでもベア、こっちでもベアと、主に賃上げ(昇給)交渉ばかりがクローズアップされますが、実は、各社とも労働組合と、経営側の代表との話し合いの場である「団体交渉」では、妥結に向けて今後、ありとあらゆる角度から、労働環境についての議論が進められていくことになります。
たとえば、経営計画の進捗状況を点検したり、そもそも立てた計画は妥当なのか、実施にあたって人員は足りているのか、どのような理念や経営目標の下で計画が推進されるか、などなど。時には激しいやり取りも繰り広げながら、労使双方の間で突っ込んだ話し合いが繰り広げられていくことでしょう。
そういう意味では労使ともに、賃上げ部分に主眼を置くことなく、幅広い視点から議論を進めてほしいと思います。労働者側と経営者双方が互いの利益のみに囚われることなく、春闘における議論を働くことの「意義」や「目的」についてあらためて考え、見つめ直すきっかけとすることのできるような会社には、発展性が期待できると思います。
ひるがえって就職活動をしている人たちには、どのような形で今春闘が進んでいくのか、業界ごとやあるいは、自分が就職を希望する会社について、注視することをおススメしたいと思います。
その際のチェックポイントとして、話し合いや会議をしっかりと就労時間内に終えることができているのかどうか、という点も挙げておきたいと思います。「効率の良い会議運営」ができているかどうか、ということです。意外なところに、その会社のワーク・ライフバランスに対する取り組みの真の姿勢が窺えるかもしれません。
参考記事https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60707