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“我究”なくして、ワーク・ライフバランスなし


東洋経済ONLINEに「若者にワークライフバランスなんていらない」という、ちょっと刺激的な見出しの付いた記事(2013年2月6日付)を見つけました。

ワーク・ライフバランスについては、懐疑的な意見もあるので驚きはしませんが「いったい何でまた、そんなことおっしゃいますのんや?」という興味で読んでみたところ、そこにはワーク・ライフバランスを切り口に、別次元の実にまともな議論が展開されていたので、ひとまずホッとしました。

詳細については、記事をご参照いただきたいのですが、要は、向上心とがむしゃらさがなければ仕事なんてできませんよ、という至極当然な内容でした。所々に若干、ワーク・ライフバランスの考え方とは必ずしもそぐわない記述もありましたが、趣旨については「ごもっとも!」ですよね。

訪問先のとある企業さんで「従業員から『ワーク・ライフバランス企業なんだから』と権利を主張される場面が多く、実は困っています」と担当者さんから聞かされたことがあります。この点については、就職活動真っ最中の学生さんたちにもぜひ、注意していただきたいのですが、ワーク・ライフバランスは、福利厚生的な側面だけでなく経営戦略的側面も非常に強い考え方です。仕事を充実させるための福利厚生であり、福利厚生がしっかりしているからこそ、仕事に取り組むことができる。ワークとライフはまさに、車の両輪なのです。

恐らく、仕事を生活の糧を得る場としてのみ捉えてしまうがため、生じる齟齬なのでしょう。そのような状況に陥らないためにも、仕事を単に生活の糧を得るだけの場としないよう、就職活動中から、仕事上の目標などを見定めたキャリアプランや「自分はどんな生き方をしたいのか」など、自分自身との対話をしっかりと持つことが重要です。

就職活動を支援する「就活塾」の中にも、企業から内定を得る目的にとどまらず、自分自身の仕事に対する考え方や、人生における目的を明確化するために一役買ってくれる塾もあります。直接取材させていただいたことのある「我究館」は、その名が表す取り組みを体系的に実施している機関だと感じました。

就活生のみなさんには、就活塾だけにとどまらず、多くの人や企業、本などさまざまな出逢いを通して自分を探求し“哲学”してほしいと思います。

 

参考記事

http://toyokeizai.net/articles/-/12808

就活中に妊娠!? そのとき会社は…


 2月28日付「朝日新聞」は、衛生用品メーカーのユニ・チャームは、妊娠中の女子学生が内定した場合、入社の時期を30歳まで延期することができる制度を2015年度の新卒採用から導入する、と報じました。

 記事によると、就活中に妊娠が分かり、内定を辞退した事例がこれまでに数例あったと言います。同制度の活用が今後、活発になるか否かはさて置き、世間には、優秀な女性は「少し待ってでも確実に採用したい」という企業側からの強烈なメッセージが伝わったことでしょう。

ところで、林真理子さんの「野心のすすめ」(講談社現代新書)が 45万部のベストセラーになっています。 SNSサイト「フェイスブック」coo(最高執行責任者)のシェリル・サンドバーグさんの著書「 LEAN IN 」しかり、近頃は「女性よ大志を抱け!」と士気を鼓舞する書籍が次々と話題になります。これは、少子高齢社会の進展や経済が足踏み状況の日本のあらゆる場面で、女性の力が必要とされていることが影響している結果だと考えられます。

ところが女性側からすれば、現状は、育児などの悩みから、大志を抱こうにも壁にぶつかること多々。例えば、私自身も3人の子を持つ母ですが、私が暮らす沖縄では、保育所や学童の問題1つを取ってみても、女性の社会参画に向けた環境整備はまだまだ不十分です。東京は沖縄以上に待機児童の問題は深刻ですし、全国を見渡してみれば子育て環境におけるインフラ整備の問題は、あちらこちらに転がっています。

とは言え、女性活用は社会における喫緊の課題です。入社前か、後かの順序はあるにせよ、女性のキャリア形成において、相変わらず妊娠・出産が“岐路”になってしまう現状について、先に挙げたユニ・チャームのごとく、まずは企業努力で何とか社会に変革をもたらすような果敢な取り組みが、次々と打ち出されるよう期待したいところ、です。

その為にも、就活生のみなさんの率直な意思表明は、とても重要だと私は常々考えています。

前回のコラムでも、似たようなことを書いたところ、バブル期を経験されている方から「いまの若手は厳しい環境にさらされすぎている」とのご意見をいただきました。まったく同感です。一方で、こういう厳しい状況下にあるからこその“イノベーション”にもまた、期待したいところ、なのですが…。

参考記事 http://asahi.gakujo.ne.jp/common_sense/morning_paper/detail/id=603

産みたい、けど産めないのってどうすりゃいい?!


~拝啓、キャリア志向の君たちへ。~

 

今回は、あえて上から目線で述べさせていただきます。悪しからずご了承いただけますればm(_ _)m

 

PRESIDENT on lineに掲載された、題して「産みたい女性にとって、日本企業はみんなブラックである」。同記事では、日本企業の多くが、女性がキャリアアップを図る上で依然として大変厳しい環境にあり「産んでスローキャリア」か「産まずにバリバリキャリア」の二者択一しかない、と指摘しています。あまりにも厳しすぎる現状分析に、私が就活生なら、お先真っ暗で心が折れてしまいそうです(T_T)。しかも、改善策は女性自身が積極的に考えて行くべきだ、との結論。

 

しかしそこで、あまちゃんでかぁちゃんの私は思うのです「果たして、現実はそうなのか?」と。

目下、就職活動中の女子学生のみなさんは、厳しい就職戦線下、「やりがい」と「ご飯を食べること」を求めるだけで精いっぱい、という人が多いかもしれません。

一方の男子学生。出産や育児と働き方との両立問題を、女性側だけに預けてしまってはいませんか?結婚や子育てを頭の隅に置きながら、就職活動、していますか?そういう男子学生は、まだまだマイノリティーなのではないでしょうか。

 

確かに。女性には常に、ライフプランの中に「いつ産むか」を入れ込むこと(あるいは入れ込まないという決断)を突きつけられます。私も、ことあるごとに「結婚、妊娠、出産。考えていた方がいいよ」とアドバイスしています。でも、コレって、本来は女性だけが考えるべきことじゃないですよね!だって、女性独りでは子ども、できませんから。

 

女性の側だけで「いつ子どもを持つか」(あるいは、持たないか)を決断しなければならないのだとしたら。そんなんじゃ、結婚を考えることまでメチャメチャハードル高くなってきません?!

 

シングルマザーとして立派に活躍されている女性も多い昨今ではありますが、「夫も連帯責任者。独りじゃないから何とかなる!」感があるから、「えい!」と、結婚や妊娠、出産に踏み切れるということも、あるのじゃないでしょうか?

 

私自身のことを振り返ると、25歳で結婚、出産、一軒家の建売購入(って、コレはあまり関係ないですね(・。・;)を決断しましたが、その決断をできたのは、夫が「自分が面倒見るから、子ども早く産んで!」と背中を押してくれたことが大きかったと思っています。

 

ついでに。女性側だけが頑張っていたら、いつまでたってもブラック企業、なくなりませんから!!…と、36歳のワーク・ライフバランスコンサルタントはあえて偉そうに、声高に叫ばせて頂きたいのです。

 

ライフプランは、男女を問わずすべての人たちに必要なものです。何を選び、何を選ばないのか。今後、社会人として活動していくのだから、就職活動中の皆さんには、社会を担う責任が伴います。自分たちが「こう生きていきたい」あるいは「こんな風に働きたい」という思いを実現するための努力は、何も、自分だけのためのものではないということを頭の片隅に置いて、活動していただけたら、と思うのです。

 

参考記事 http://president.jp/articles/-/10651

今さら、ですが…ホワイト企業って、なぁに?


若者を“使い捨て”るブラック企業の対義語として、“ホワイト企業”なるものがあります。

世の中で既にスタンダード化している語彙に対して、物申すつもりは決してないのですが、誰が言い出したのか、黒に対して白を使ってまったく逆の価値観を示してくる発想は、少なくとも私は持ち合わせていないので「ヽ〔゚Д゚〕丿スゴイおもしろーい」の一言に尽きます。

個人的な感想はさておき、ビジネスパーソンに人気のビジネス情報サイト「東洋経済on line」は2013年4月、新卒の離職率が低い“ホワイト企業トップ300”と題したランキングを出しました。記事によると、300社の定着率平均は86.0%。実に、上位92社が定着率100%、三分の一は1位というランキング表で、93位のNTTドコモでさえ、250人のうち1名が退職したため1位にならなかった(なれなかった?)という状況を見ると、順位にはあまり意味がなく、“ホワイト”か否かというところがポイントだと考えられます。

これらの会社はいずれもCSR(企業の社会的責任:corporate social responsibility)への取り組みがしっかりしている、という共通項があります。一口に言うと、内向きと外向きで顔が違わない、裏表がない企業ということになるでしょう。

ところで、ホワイト企業の代表格として、今やその名を全国に轟かせている「未来工業」。改善提案を上司に提出するだけで、採用されなくても500円支給!という取り組みなど、常に社員に「考えること」を促す制度や、傍から見ていて「楽しそう!」「やってみたい~!」と思える仕組みが満載の会社です。「改善提案」だなんて、受け取る側が間違った受け取り方をすれば、会社に文句をつけるようなもの。それを「どんどん出して!」と言える雰囲気は、やはりCSRに対する同社の自信の表れでもあるかと思います。

このほか、ホワイト企業を示す指標の1つに、離職率があります。新卒のみなさんの第一関門は3年。しかし、私は敢えて申し上げたい。「3年間、人が辞めなかった企業だからホワイトなのか?!」と。なるほど確かに、石の上にも3年とも言いますし、目安にはなるでしょう。

さはさりながら、あくまでも「目安」であって、自分が実現したいと考える生き方の実現ができない会社なら、それは、自身にとっての“ブラック”だとは言えないでしょうか。語弊を恐れずに申し上げれば、世間的にはブラックであっても自分にとってはホワイトかもしれない、ということなのです。

大切なのは、自分自身が自分のキャリアプランを持ち合わせているのか。勤め先は、そのプランの実現や個人の思いに応えてくれるのか。白黒つける判断基準は、この2点に尽きるように、私には思えます。

参考記事

http://toyokeizai.net/articles/-/13467

http://c.filesend.to/plans/career/body.php?od=140128.html

妊活休業はシナジー効果も生む?!


人気女性お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さん(34)の「妊活休業」が話題になっています。是非はともかくとして、所属タレントのたっての希望を了承した吉本興業の姿勢は、ワーク・ライフバランスに資するものとして、評価されていいのではないかと考えます。

一般的に、非常に労働環境が厳しいと言われる芸能界で、仕事とライフ(生活)両方の充実を得るのはなかなか大変なこと。時に、公人としてプライベートまで制限されてしまうタレントさんであればなおさら、です。

まして(と言ってはナン、ですが(;・∀・))吉本興業と言えば、売れない芸人さんの薄給ぶりでもこれまで、度々話題に上がるほどです。下積み時代を経て、芸能人として活躍できるのはほんのひと握りです。さらに人気稼業ですから、いつまで“社員”が“収益”を上げてくれるか分からないわけです。となれば経営側としては、稼ぎ出してくれる優秀な人財に、稼げる時にしっかり売上を上げてもらいたい。そう考えるのは、ガッチリ企業の吉本興業でなくとも、当然のことと言って良いでしょう。

このような状況下、ライフの充実を図ろうと考えたタレントご本人の意義ある行動はもちろん、社員の思いに応えた企業は、就職先としても高い評価を得る“ホワイト企業”と認知されて良いのではないでしょうか。

会社の外で得た経験や知識が、仕事の質を向上させるというのが、ワーク・ライフバランスの向上によって得ることができると考えられるシナジー(相乗)効果です。

IT企業のサイボウズでは、この考え方を前提に、35歳以下のエンジニアやスタッフを対象とした「育自分休暇」制度を創設、運用しています。退職しても6年間は会社に戻れる「再入社パスポート」を交付する、というもの。この制度で、一時28%あった離職率が4%にまで減ったそうです。

サイボウズの事例はともかくとして、今回の吉本興業の判断に、ワーク・ライフバランス的視点が加わったのかは、知る由もありません。しかしどちらも、しばらく休みを取ってでも「社外での経験を会社に持ち帰り、より輝く仕事と人生の充実を手に入れて欲しい」と“社員”に期待する企業であることだけは、共通して言えそうです。

企業と働く側の双方が、互いの期待に応えられるような関係を結べる会社。就職活動中にしっかり出逢っておきたいものです。

 

参考記事

http://careerhack.en-japan.com/report/detail/216

http://www.sanspo.com/geino/news/20140127/owa14012705050002-n1.html

”シュントウ”と”シュウカツ”とワーク・ライフバランス


ハッピーマンデーの成人の日が過ぎ、お正月以来何となく続いていた華やぐ街の雰囲気もどこへやら。

 

日本の大企業経営者らで組織する経団連は1月15日、今春闘の指針となる「経営労働政策委員会報告」を発表し、労使双方が労働環境について議論する2014年春闘が事実上、スタートしました。

 

4月の消費税引き上げを控え、経営側からは2008年以来、6年ぶりとなる賃上げ容認が示され、労働側にとっては明るい兆しも感じられる皮きりとなりました。

 

ところで。春闘って、何でしょう? あっちでもベア、こっちでもベアと、主に賃上げ(昇給)交渉ばかりがクローズアップされますが、実は、各社とも労働組合と、経営側の代表との話し合いの場である「団体交渉」では、妥結に向けて今後、ありとあらゆる角度から、労働環境についての議論が進められていくことになります。

 

たとえば、経営計画の進捗状況を点検したり、そもそも立てた計画は妥当なのか、実施にあたって人員は足りているのか、どのような理念や経営目標の下で計画が推進されるか、などなど。時には激しいやり取りも繰り広げながら、労使双方の間で突っ込んだ話し合いが繰り広げられていくことでしょう。

 

そういう意味では労使ともに、賃上げ部分に主眼を置くことなく、幅広い視点から議論を進めてほしいと思います。労働者側と経営者双方が互いの利益のみに囚われることなく、春闘における議論を働くことの「意義」や「目的」についてあらためて考え、見つめ直すきっかけとすることのできるような会社には、発展性が期待できると思います。

 

ひるがえって就職活動をしている人たちには、どのような形で今春闘が進んでいくのか、業界ごとやあるいは、自分が就職を希望する会社について、注視することをおススメしたいと思います。

 

その際のチェックポイントとして、話し合いや会議をしっかりと就労時間内に終えることができているのかどうか、という点も挙げておきたいと思います。「効率の良い会議運営」ができているかどうか、ということです。意外なところに、その会社のワーク・ライフバランスに対する取り組みの真の姿勢が窺えるかもしれません。

 

参考記事https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60707

どう生きるべきか、生きたいのか


就職活動中の学生のみなさんに、移動の電車の中などで読むのに、ぜひおススメしたい本の1つに「学問のすゝめ」(福澤諭吉著)があります。「天は人の上に人を造らず~」の書き出しで有名なこの本。クラシカルで唐突な印象を受けるかもしれませんが、発刊当時、日本人の10人に1人が手に取ったという明治時代の大ベストセラーには、現代にも通じるものの見方や考え方が網羅されています。

 

現在は一万円札紙幣として親しまれている著者。本の中で、単に「おベンキョしましょφ(。。;)」と、まくし立てているわけではありません。人としてのあるべき姿が、判り易い文章で書かれているというのが、この本のポイントです。

 

本の中に「衣食住の安定だけに満足することなく、社会の一員としての自覚を持ち、社会の発展に尽くさなければならい」というようなことが書かれている一節があります。コレって、仕事や会社を選ぶ上でもキーになると思いませんか!

 

もし選ぶことができるのなら、安定した収入はもちろん、やりがいがあって、世間からも認められ、感謝されるような仕事を希望したいもの。

 

希望を実現するためには、自分にはどのような役回りが果たせるのか(持っているスキル)や、どんなことなら頑張れるのか(希望業種)を自分自身で把握しておくことに加えて「いつ、どのタイミングで、どういう自分になっていたいのか」という明確なプランを立ててみることも重要です。例えば「いつ結婚したい」とか「子どもは何歳で欲しい」といったライフプランや、30歳までに会社でどんな立場に立っていたい、あるいは資格を持っていたい、などの仕事上の目標を立ててみるのです。

 

その際に大事なことは、しっかりと時限を区切ることです。「いつかは」といった具合に、ぼんやりとしたプランの立て方では、あまり意味がありません。

 

あくまでも「計画」ですから、実現できなくても良いのです。そもそも、就職活動中に、「実現できる計画を立てろ」という方が無理です。大切なのは、日々を生きる上での“道しるべ”を常に自分の中に持てるかどうかです。「計画」は向かうべき方向を探すのに、役立つはずです。

 

就職活動の期間は、“自分探し”の大切な時間でもあります。悔しい思いや、やるせない経験も多々あるでしょうが、長い人生の中でも、これだけ多くの企業と真正面から向き合う機会は、そう滅多にはありません。就職活動での一期一会が、その後の自分の生き方を変えることもあるはずです。どうせやるからには、楽しみながら有意義なひと時を過ごしたいですよね。この機会にとことん、自分は「どう生きるべきか」を探究してみましょう!このことは、ワーク・ライフ・バランスとも密接に繋がっています。

 

余談ですが、私が読んだ学問のすゝめは「現代語訳版」( ̄▽ ̄;)。就活中の頭の体操に、古典に触れてみるのも良いことかとは思いますが、さっと読むにはこちらがおススメです。福澤のウンチクが、他の学生に差をつけることがある?かも( ´艸`)

やっぱりブラック、なればこそ


厚生労働省は12月17日、若者の「使い捨て」が疑われるいわゆる「ブラック企業」対策として9月、同省が初めて行った調査の結果、対象となった5111事業所のうち82%にあたる4189事業所で、違法な時間外労働など「何らかの労働基準関係法令違反」があったと発表しました。

 

発表によると、23.9%にあたる1221事業所で、残業代の不払いも行われていました。火のないところに煙は立たない、と言ったところでしょうか。一方で、2割の企業がこの調査では「シロ」だったわけですが、80%の確率で“ウワサ”が当たるのだとするとやはり、“黒い噂”のある企業には、近づかない方が懸命だと言えるでしょう。

 

こうした観点からも、自分が就職先として考える企業の基本情報や、社会的な評価などを念入りに調べておくことは、後で泣き寝入りしないためにも大切です。自社の悪口を言う社員は、そう滅多にはいないかもしれませんが、実際に勤めている立場からの生の声を聞けるという意味においては、OB・OG訪問は実り多いものになると思われます。

私が駆け出しの記者だった12、3年前のこと。「オマエが半人前だから仕事に時間がかかる。その結果、残業になるのだから残業代を会社に請求するのはおかしい」と言う管理職に「新入りは処理能力が低い分、基本給も安い。基本給は能力に応じて支払われているのだから、残業に対しても同じ基準で残業代が支払われるべきだ」と食ってかかり「屁理屈ばっかり一人前になってるんじゃない!」と大目玉を食らった先輩がいました。

私が記事を書くのが遅いために、デスクである管理職を待たせることもしばしばだった当時は、私自身、先輩たちに申し訳なく、会社に残業代を請求するなんてトンデモナイと思い、まったく請求しませんでした。

 

しかし、その考え方や遠慮は間違っています。会社は、仕事をさせるために「私の時間」を私に提供させているのですから、サボってさえいないのであれば、その対価はきちんと会社が手当しなければならないのです。それは、後輩を育てるために時間を割く上役に対してもです。

 

もちろん「自分が不甲斐ないばかりに、周りに迷惑をかけて申し訳ない」という気持ちは、大切です。「早く一人前になりたい」と、必死になって仕事に取り組むことができるのも、このような思いがあればこそ。しかし会社から、頑張る気持ちにつけ込まれるような扱いを受けた時は、きちんと立ち向かわなくてはいけません。「ブラック企業」を働く側も許すべきではないのです。

参考資料 http://www.mhlw.o.jp/stf/houdou/0000032425.html

キラキラ20時退社


2015年3月卒の学生の就職活動が12月1日、解禁となりました。就活生にとっては「2013年も残すところ…」なんて言葉は、どこ吹く風。「内定」というゴールを目指し、一斉スタートしたところですね。体調管理にも気をつけたいところです。

さて、就職戦線でにわかに脚光を浴びている言葉に「キラキラ20時退社」という言葉があります。女子学生が就職先選びをする際の指標の一つに「合コンに間に合う20時には退社できて、やりがいのある仕事」を挙げている、ということのようです。

ジェンダー・ギャップ指数における日本のランキングを押し下げるほどに高いレベルの教育を受けている女性たちが使う言葉としては、若干かるーい印象も受けますし正直言って「合コン以外にもやることはあるんじゃ( ̄▽ ̄;)」と、ついついツッコミたくなるのですが。実は、この言葉、言い得て妙なのです。

オンナとして、妻として、母として。時にはメークで顔も変えながら、現代女性は一人何役もこなさなくてはならない場面が多いですし、特に上昇志向の強い方は「こなしていきたいs(・`ヘ´・;)ゞ」と頑張っちゃいますよね。その時にポイントになるのが「キラキラ」であり「20時退社」です。

仕事にしろ、家事・育児にしろ、どんな場面でも頑張りすぎず、頑張れる状態、充実している時のその人の表情は、輝いて見えるものです。少々、髪を振り乱していようとも、そこはご愛嬌。♪働く汗は美しいって、デオドラント剤のCMにもありましたね。やりがいは、その人の輝きを間違いなく際立たせます。

だからと言って、自分に構うことのできない状態が長く続くと、そこは切なくなってくる。だから「20時退社」なのです。いくらキャリア志向が強くても、鏡に映る自分の姿は気になるもの。ハツラツとしている為にも、仕事などの「やらなくてはいけないこと」は適度に切り上げて「やりたいこと」もするべきなのです。

ちなみに「20時」という時間が退社時刻として適当かどうかは、議論になるところだと思いますが、個人的には「新卒の新入社員であればそんなもんかな」と元新聞記者の私は思っています。

これらは言うまでもなく、女性に限ったことではありません。男性だって、疲れ切ったり、イライラしたような顔でいたり、身だしなみに気を使う暇がないほどバタバタしているよりも、趣味の話もできるような余裕がある方がずっと魅力的だと、私は思います。

こうして考えてみると、就職を考える上でのキーワードとしての「キラキラ20時退社」は悪くないかと。もちろん「やりたいこと」を合コンに限定する必要はありません。

 

参考資料

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/spice/20131111-OYT8T00679.htm

24時間、タタカエません。


離職率:新卒が上昇…3年以内、大卒31%

毎日新聞 2013年10月29日 19時53分(最終更新 10月29日 21時40分)

厚生労働省は29日、2010年3月に卒業した高校生、大学生など新規学卒者の3年以内の離職率を公表した。大卒者は31%(前年比2.2ポイント増)、短大などが39.9%(同0.6ポイント増)、高卒者39.2%(同3.5ポイント増)、中卒者62.1%(同2.1ポイント減)で、中卒以外で離職率が上昇した。新卒者の離職率は、若者を使い潰すと批判が出ている「ブラック企業」の判断材料になるとして注目されている。

離職率は、ハローワークに提出される雇用保険の加入届、離職届のデータから離職率を分析した。

事業規模別の離職状況では、大卒、高卒者とも「5人未満」が最高で、企業規模が大きいほど離職率は小さい。

引用元

「新語・流行語大賞」のノミネート50語が今年も発表されました。リストを見れば「倍返し」や「今でしょ!」「じぇじぇじぇ」といった耳馴染みの言葉に混じり「ブラック企業」や「限定正社員」など今年1年、ビジネス界を席捲した言葉も。就活中の方々にとっては、すっかり会社選びのキーワードですね。

 

ところで、新卒のみなさんが生まれたばかりの1989年。この年のノミネート語に「24時間タタカエマスカ」というのがありました。俳優の時任三郎さん扮する平安時代の武将(?)「牛若丸三郎太」が「リゲイン、リゲイン、僕らのリゲイン」と、栄養ドリンクの商品名を連呼するCMから出た流行語で、CMソング「勇気のしるし」の歌詞は、当時小学生だった私にとっても「ジャパニーズビジネスマン、大変そうΣ(゚д゚lll)」と強烈なインパクトがありました。今では信じられませんが、日本の経済が右肩上がりだったバブル期MAXの当時の日本では、三郎太は会社員の“あるべき姿”だったようです。

余談ですが、時任三郎さんは育児のために海外移住をして仕事量を絞った、という経歴の持ち主。育メンが“モーレツ社員”(古い?(?_?))を演じたわけで、そういう意味でも時任さんは演技派ですよね。

 

さて、あれから四半世紀が経った現代。10月29日付毎日新聞は、最新の厚生労働省データで新規学卒者の離職率が上昇した(中卒を除く)ことを報じました。就職難が叫ばれるにもかかわらず、です。

 

離職率が高いことの背景には「ブラック企業」が見え隠れします。ブラックとまではいかなくとも、個人の価値観や生活がないがしろにされるような企業では、誰だって働きたくありませんよね。働く側が、会社側の「24時間タタカエマスカ」という要求に「いいえ」と拒否するようになった、という見方をすれば、離職率の高さはむしろ、企業側が積極的に取り組まざるを得ない課題だと言えるでしょう。

 

25年も経つと、世相もこれだけ変わります。いつの時代の価値観にも対応していける企業かどうかも、会社選びのポイントにしたいところです。

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