就活中に妊娠!? そのとき会社は…
2月28日付「朝日新聞」は、衛生用品メーカーのユニ・チャームは、妊娠中の女子学生が内定した場合、入社の時期を30歳まで延期することができる制度を2015年度の新卒採用から導入する、と報じました。
記事によると、就活中に妊娠が分かり、内定を辞退した事例がこれまでに数例あったと言います。同制度の活用が今後、活発になるか否かはさて置き、世間には、優秀な女性は「少し待ってでも確実に採用したい」という企業側からの強烈なメッセージが伝わったことでしょう。
ところで、林真理子さんの「野心のすすめ」(講談社現代新書)が 45万部のベストセラーになっています。 SNSサイト「フェイスブック」coo(最高執行責任者)のシェリル・サンドバーグさんの著書「 LEAN IN 」しかり、近頃は「女性よ大志を抱け!」と士気を鼓舞する書籍が次々と話題になります。これは、少子高齢社会の進展や経済が足踏み状況の日本のあらゆる場面で、女性の力が必要とされていることが影響している結果だと考えられます。
ところが女性側からすれば、現状は、育児などの悩みから、大志を抱こうにも壁にぶつかること多々。例えば、私自身も3人の子を持つ母ですが、私が暮らす沖縄では、保育所や学童の問題1つを取ってみても、女性の社会参画に向けた環境整備はまだまだ不十分です。東京は沖縄以上に待機児童の問題は深刻ですし、全国を見渡してみれば子育て環境におけるインフラ整備の問題は、あちらこちらに転がっています。
とは言え、女性活用は社会における喫緊の課題です。入社前か、後かの順序はあるにせよ、女性のキャリア形成において、相変わらず妊娠・出産が“岐路”になってしまう現状について、先に挙げたユニ・チャームのごとく、まずは企業努力で何とか社会に変革をもたらすような果敢な取り組みが、次々と打ち出されるよう期待したいところ、です。
その為にも、就活生のみなさんの率直な意思表明は、とても重要だと私は常々考えています。
前回のコラムでも、似たようなことを書いたところ、バブル期を経験されている方から「いまの若手は厳しい環境にさらされすぎている」とのご意見をいただきました。まったく同感です。一方で、こういう厳しい状況下にあるからこその“イノベーション”にもまた、期待したいところ、なのですが…。
参考記事 http://asahi.gakujo.ne.jp/common_sense/morning_paper/detail/id=603
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