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内定者研修は義務なの?

 多くの企業では,内定者に入社前のレポート提出や,研修への参加を求めることがありますが,労働契約の始期が到来するまでは,内定者(学生)に研修義務(労働義務)はありませんので,あくまでも使用者の要請に対する内定者の同意に基づき実施する必要があります。いずれにせよ,内定期間中の研修等は内定者の合意を前提にすべきです。内定者(学生)の合意を得ずに,強制的に研修を受けさせるような起業は「ブラック企業」の可能性が高いため,企業に悟られないように就活を続けたほうがいいでしょう。他の企業から内定をもらって,その企業は切るべきです。

 企業には,「採用の自由」があります。「採用の自由」とは,労働契約を締結するか締結しないかに関わる「使用者の自由」のことです。もっとも,採用の自由には,年齢や性別による募集・採用差別の禁止や,障害者雇用率などの一定の制限があります。

 なお,使用者の中には,「採用の自由」は内定期間中や試用期間中も認められると考えている人もいますが,これは誤りです。採用内定までは,使用者には「採用の自由」が保障されていますが,一般的には,採用内定以降は使用者が内定を取り消すと,解雇の場合と同様に扱われるとされています。

 したがって,研修などにおいて,「内定期間中なんだから採用するか否かは企業が自由に決められる」といった態度の企業は「ブラック企業」ですので,自分から内定を辞退したほうがいいでしょう。中小企業や新興企業にはこういった会社が多いので注意が必要です。

 次回は,内定取消について考えてみます。

参考:「使用者のための労働法」東京都発行

Author Profile

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戸川 大冊
特定行政書士
早稲田大学政治経済学部卒。立教大学大学院法務研究科修了(法務博士)。帝京大学や神田外語大学他首都圏の大学で企業研究・就職活動講義へ出講経験あり。就活塾の講師としても活躍。ブラック企業や就活塾に詳しい行政書士として朝日新聞・読売新聞の取材やNAC5「夕焼けシャトル」 出演などの実績もあり。

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