妊活休業はシナジー効果も生む?!
人気女性お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さん(34)の「妊活休業」が話題になっています。是非はともかくとして、所属タレントのたっての希望を了承した吉本興業の姿勢は、ワーク・ライフバランスに資するものとして、評価されていいのではないかと考えます。
一般的に、非常に労働環境が厳しいと言われる芸能界で、仕事とライフ(生活)両方の充実を得るのはなかなか大変なこと。時に、公人としてプライベートまで制限されてしまうタレントさんであればなおさら、です。
まして(と言ってはナン、ですが(;・∀・))吉本興業と言えば、売れない芸人さんの薄給ぶりでもこれまで、度々話題に上がるほどです。下積み時代を経て、芸能人として活躍できるのはほんのひと握りです。さらに人気稼業ですから、いつまで“社員”が“収益”を上げてくれるか分からないわけです。となれば経営側としては、稼ぎ出してくれる優秀な人財に、稼げる時にしっかり売上を上げてもらいたい。そう考えるのは、ガッチリ企業の吉本興業でなくとも、当然のことと言って良いでしょう。
このような状況下、ライフの充実を図ろうと考えたタレントご本人の意義ある行動はもちろん、社員の思いに応えた企業は、就職先としても高い評価を得る“ホワイト企業”と認知されて良いのではないでしょうか。
会社の外で得た経験や知識が、仕事の質を向上させるというのが、ワーク・ライフバランスの向上によって得ることができると考えられるシナジー(相乗)効果です。
IT企業のサイボウズでは、この考え方を前提に、35歳以下のエンジニアやスタッフを対象とした「育自分休暇」制度を創設、運用しています。退職しても6年間は会社に戻れる「再入社パスポート」を交付する、というもの。この制度で、一時28%あった離職率が4%にまで減ったそうです。
サイボウズの事例はともかくとして、今回の吉本興業の判断に、ワーク・ライフバランス的視点が加わったのかは、知る由もありません。しかしどちらも、しばらく休みを取ってでも「社外での経験を会社に持ち帰り、より輝く仕事と人生の充実を手に入れて欲しい」と“社員”に期待する企業であることだけは、共通して言えそうです。
企業と働く側の双方が、互いの期待に応えられるような関係を結べる会社。就職活動中にしっかり出逢っておきたいものです。
参考記事
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/216
http://www.sanspo.com/geino/news/20140127/owa14012705050002-n1.html
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- ワークライフバランスについて、就活生に向けて分かりやすく解説しています。
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